東京大学、東洋大学およびNTTは、インターネットをより安心して利用できるよう、インターネット利用に対して抱く「安全」と「安心」の意識の構造を明らかにすることを目的として、インターネット利用に際してのクレジットカード情報の悪用やウイルスなどの被害経験など、「安心」「不安」の感覚について、世界10カ国を対象とした国際比較調査を行った。

従来の調査と異なり、今回の調査では、ウイルス感染など様々なネットの脅威に対する「被害経験の有無」と「不安の有無」を同時にヒヤリングすることで、安全と安心がどのような関係にあるかを詳細に得ることができた。

その結果、セキュリティ対策などの技術的な「安全」が確保されていても、利用時に「不安」を感じるという、日本人のインターネット利用において「安心と安全の乖離」が存在することが実証された。

今回の調査結果から、日本人は諸外国に比べ、漠然とした不安を感じやすい傾向があることが判明。現在、インターネットセキュリティに関しては、従来から多くの技術・製品が提供され、その導入も進んでいる。今回の調査においても、被害経験の割合が他国より低いことから、日本国内におけるインターネットセキュリティは高いレベルにあると考えられる。

しかしながら、日本人は他国よりも多くの方がネット利用について不安を抱いており、「安全」なだけでは「安心」してインターネットを使うことができないという「安心と安全の乖離」が明らかになった。

ネット上のトラブルのうち、個人情報や個人に対する中傷に関する項目について調査したところ、日本人は被害経験がないにもかかわらず不安を感じる割合が非常に高いことがわかった。

たとえば、他人によってインターネット上に自宅住所や電話番号を勝手に載せられてしまう経験は、10カ国中9位(1.2%)と低い値であるにもかかわらず、このことを不安に思う割合は10カ国中2位(82.7%)と高い値だった。

とくに女性に限定した場合、自宅住所や電話番号をネットに掲載されたことがないにもかかわらず不安に思う割合が1位(88.5%)、悪口・暴言・挑発的な言葉を書かれたことがないにもかかわらず不安に思う割合も1位(75.2%)となった

(編集部 長谷部祐二)

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