ウイルス今昔物語

【ウィルス今昔物語】(2)Casino

○流行年代 1991年
○タイプ  ファイル感染型
○症状   画面上でスロットを表示する。決して当たらないスロットがはずれるとファイルシステムを破壊する

コンピュータウィルスの世界にゲーム感覚を持ち込んだ初のウィルスである。このウィルスはスロットマシーンを表示し、ここで大当たりを出せば破壊された情報は復旧できるが、感染者に与えられたチャンスはたった3回。これを逃せばFAT情報は永遠に蘇らない。

このウィルスは、感染者のギャンブラー魂をかき立て、大当たりが出なくても、「次こそは当ててやる」などとアツくなる人まで出る始末だった。

しかも何度試しても大当たりは出ない。絶対に出ないようになっているという噂もある。いずれにしてもウィルス作者におチョくられていることは間違いない。

後年、別種のウィルスでPETER2というものも登場し、これは感染者に多岐選択式の3つの質問を出して、これは全問正解すればハードディスクは守られる。パソコン雑誌ではこの質問の正解が公開されていたが、もちろん発病前に駆除するのが基本だ。現在ではどちらのウィルスも対策ソフトで駆除できる。

なお、当時はMS-DOS+Windows3.0~3.1の時代であり、ようやく本格的なGUIが扱えるようになったばかりの時代であった。ハードディスクは高価で現在のように気軽にシステムフルバックアップをとれる時代ではなかった。

慎重なユーザーだけがフロッピーディスク何十枚にもわけてバックアップを取っていたのである。ウィルス対策はまだそれほど浸透していなかった。
したがってこのスロット表示ウィルスも発病したらなすすべもなかった。

(編集部 真田裕一)

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