ウイルス今昔物語

【ウィルス今昔物語】(5)EXCEL.Laroux

○流行年代 1996年
○症状   Microsoft Excelを感染先にした初めてのマクロウィルス。「laroux」という名前の隠しシートを作成。印刷がうまく行えないことがある 。特段の破壊力はないが、強い感染力を持ち、存在自体が大変な脅威となった。

○昔話

Windows95の登場により爆発的なインターネットブームが起き、同時に会社のビジネスソフトはMicrosoft Officeがスタンダードになりつつあった1996年頃の話である。Microsoft Excelのマクロ(自動処理実行言語)で作成されたウィルスが登場し、世界を震撼させた。

大した破壊力がないのになぜ世界中が震撼したかというと、それまでのコンピュータウィルスがプログラム記述能力のある人間によって作成されたものであったのに対し、極めて記述の容易な言語であるマクロを用いてウィルスが作れることが立証されてしまったからである。

いわば小学生が時限爆弾を作ったようなものであり、コンピュータウィルスは誰にでも作れるという事実が世界中を震撼させたのである。

当面の措置として、(1)メールの添付ファイルに注意 (2)見知らぬ相手からのメールの添付ファイルは開かない という警告が大々的に出されたにもかかわらず、開いてしまう人が続出。圧倒的な感染力で世界中を駆けめぐった。

当時流行していたハッカー本では、「マクロウィルスの作り方」などという不埒な特集記事が組まれたりしていた。

やがて最新のMicrosoft Officeでは、マクロを含んだファイルを開こうとすると、「マクロが含まれていますが、マクロを有効にしますか?」という警告を出すようになったが。
もちろんマクロを有効にしないと仕事にならないのであるが、警告ダイアログに怯えてマクロを無効にしてしまい、仕事にならない人が続発した。

最終的にはウィルス対策ソフトによって駆除できるようになったが、多くの亜種が登場し、その後数年は「マクロの恐怖」が続いていた。

(編集部 長谷部祐二)

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