天才的な少年ハッカーがFBIやセキュリティベンダーからスカウトされたり、セキュリティコンサルティング会社を興したりすることがある。
かつての天才ハッカーで現在はセキュリティコンサルティング会社を経営している、ケビン・ミトニック氏が代表格であろう。
ともあれ、コンピュータセキュリティを学ぶということは、ハッカーの手口を学ぶ必要があるということだ。
ソノマ州立大学のコンピュータセキュリティクラスでは、教授自ら学生にハッカーのスキルをレクチャーしている。
(米Newsweekの報道)
http://www.newsweek.com/id/150465
陽光のカリフォルニアなれど、日の入らない地下コンピュータルームにて、若者たちは、ウィルス、スパムなどの製造で大忙しだ。
その中の一人、グラント・ジョイは、ユーザー名、パスワードとクレジットカード番号を含むキーストローク情報を、自分のマシンで密かに記録するプログラムを走らせている。
トーマス・フィナンは、偽のユーザー名で掲示板に巨大なメッセージを送りつけ、掲示板を溢れさせている。
彼らは本物のハッカーではない。ソノマ州立大学のコンピュータセキュリティクラスの学生なのだ。
指導教授のジョージ・レディンは最新のアンチウィルスソフトを突破する方法すら教えているのだ。
レディンのクラスで行われていることについて、企業は不満を漏らしている。
ジョージ・レディンは、かつて北朝鮮に核技術を売り込んだパキスタン人科学者、A・D・カーンになぞらえられており、一部のコンピュータセキュリティ会社のマネージャーは、レディンの学生を雇わないとさえ断言した。
レディンは、自分たちの学生には悪意はなく、閉ざされたネットワーク内でウィルスが外部に流出しない状況の下で働いているのだから、何も起こすことはないと主張し、むしろハッカー的な思考を身につけることによって、対処策を発見することができるように教育しているという。
「生物学上のウィルスとは異なり、コンピュータウィルスはプログラマによって記述される。人がどうやってこうしたことを学ぶのか、その思考を知りたい。」とレディンは言う。
レディンは、ベネズエラでロシア人の両親の下に生まれ、合衆国に来てコンピュータ工学の道に入る前には生物学者としての訓練を受けている。
「敵の攻撃が何であるかを知って初めて、実際の防御策を策定できる。」と、レディンの元学生で現在政府機関の安全顧問をしている、リンカーン・ピータースは述べている。
レディンの活動は、ある意味で、100ドルもするウィルス対策製品を買わせておいて、実は役に立たない(とレディンが考える)マカフィーやシマンテックなどのウィルスベンダーへの批判でもある。
学生たちがアンチウィルスソフトを開発できたならば、ユーザーにとって、そして年間50億ドル近くも費やしているアンチウィルス企業にとって、恩恵となるのではないかということだ。
※ 本稿はNewsweekの報道を、日本向けに編集したものです。
(編集部 真田裕一)
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