ソースネクストが低価格の「ゼロ」を発売

ソースネクスト(東京都港区)は、低価格のパソコンソフト販売で成長を続けた。

従来のセキュリティーソフトは使用期限が決まっていた。それを超えると最新版を購入し、内容を更新する必要があった。しかし、ソースネクストが2006年7月に発売した「ウイルスセキュリティZERO(ゼロ)」は、一度購入すれば事実上、無期限で利用できるようにした。

トレンドマイクロに次ぐシェア3位に

価格も3970円と他の大手メーカーの製品より安く設定した。発売3カ月で47万本を売り切ったという。

販売本数シェア(月次ベース)も15%前後から2006年7月の後は25%を超えるまでに拡大した。シェア30%弱の国内2位、米国系のトレンドマイクロ(東京都渋谷区)に迫った。

シマンテックの大岩憲三執行役員

セキュリティーソフト国内最大手は米国系のシマンテック(東京都港区)だった。「ノートン」の会社である。

シマンテックの大岩憲三執行役員は以下のように解説。安全性確保の取り組みを強調した。

パソコン4万台にウイルスの検知センサーを搭載

「日米欧にウイルス研究所を置き、世界の企業ユーザーのパソコン4万台にウイルスの検知センサーを搭載している。ウイルス対策のインフラは世界最大」

安価な新製品登場でも同社の販売は好調に推移した。大岩氏は「消費者は価格の対価としての安全性を評価している」とコメントした。

富士キメラ総研

安くて、高い安全性も確保したいのが消費者の本音だった。とはいえ、調査会社の富士キメラ総研の調査員は以下の点を指摘。安易なソフト選びに警鐘を鳴らした。

「各ソフトとも機能は充実している。ただ重要なのはウイルス発生からどれくらいのスピードで対処できるか。発生3日後に新たなパターンファイルを配信されても、その間に被害に遭えば意味がない。また情報収集のために十分な拠点数を確保していなければ、危機対応能力は確実に落ちる」

安物と安全性の高い製品の二極化

富士キメラ総研は、今後は安価な製品と、高額でも安全性を確保できる製品に二極化すると指摘した。

ただ、サイバー犯罪は技術の進歩で凶悪化すると予想された。安全性が低ければ市場から退場を余儀なくされことは必至だった。

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