Culture & Critique by Virus Watcher Japan

【コラム】2010年も普及しないセキュア製品 シン・クライアント(5)

セキュアさにおいて圧倒的優位に立つシンクライアントは2010年も普及しないであろうという予測を連載しているが、今回はその5回目である。

普及しない理由として当サイトでは次の5つの理由を挙げている。

(1)ベンダーはハードウェアを販売しないと利益が出せないこと
(2)在宅勤務に関する国民の意識がそれほど高まっていないこと
(3)社内ネットワークの最適化コンサルティングが必須で、そのためのコストがかかること
(4)エンドユーザーの環境構築自由度が制限されることに抵抗があること
(5)シン・クライアント専用端末の価格は決して安くないこと

今回は、第5番目の理由を解説する

これは1990年代後半のNC 対 NetPCの争いを振り返ればよい。この時点でシンクライアントの原型とも言うべき、NC(Network Computer)が提唱されたが、結局パソコンをリプレースすることができなかったのは、当時のLAN回線が細くて実用面で問題があったことに加えて、NC専用端末の価格がパソコンに比べてそれほど安くなかったということに原因がある。

現在、事務用途に使うパソコンならば、1台5万円程度で導入できる。シンクライアント専用端末の価格とそれほど変わらない。これまで述べてきたシンクライアントのデメリットを覆すべきコストメリットがほとんど無いのである。

しかしながら、現在提供されているシンクライアントソリューションは、既存のパソコンにUSBトークンを挿すだけで、シンクライアント端末にすることができるものがあるので、償却済みノートパソコンの有効利用を図るために、在宅勤務者向けに導入という筋では可能性がないわけではない。

また、Google Chromeを搭載したブラウザ端末の登場が年内に予定されているが、これがパーソナルレベルでどこまで普及するかが、ひとつの試金石になっていくものと考えられる。

(編集部 大河秀明)

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