外国には、各国の国民性を表すジョークが色々存在するが、その例をひとつ紹介する。
タイタニックが沈む時、救命ボートの数が足らなかったので、女性客と子供を優先させてボートに載せることになった。乗客を誘導する乗務員は男性客に、国籍ごとに言い方を変えて説得した。
イギリス人には「紳士のあなたなら当然・・・」
アメリカ人には「これであなたはヒーローです!」
ドイツ人には「これは規則ですので・・・」
そして日本人にはこう説得した。
「だいたい、みなさん、そうされています。」
これはジョークでありながら、日本人の国民性を端的に言い表している。つまり日本人の行動原理あるいは行動を規定する戒律は、「世間様」である。
日本教の神の顕現は「お天道様」「世間様」「ご先祖様」の三位一体の姿であり、啓典宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)でいう神のおきてとはその場で作られる「空気」なのである。
KY(空気読めない)という言葉は、西欧的に言えば「神のみこころに従っていない」というのと同じ意味なのだ。
セキュリティにおいても、たとえばUSBメモリーの使用禁止やインターネット閲覧のログ査閲を行うと宣言すれば、反発も出るだろうが、「だいたいどこでもやっていますよ」という「空気」が作れれば、ただちに全員が従う。
閉鎖的な社会の中で上手に空気を醸成してきた日本にグローバルスタンダードを持ち込んだとたん、空気が機能しなくなって、情報漏えいの穴になりそうなところを、片っ端からふさいでいくことになったようである。
いまさら、昔に戻るわけにも行かないので、グローバルスタンダードとうまく折り合いをつけながら、うまく空気をコントロールする方法が見つかれば、漏えい事故も減少するであろう。
(編集部 大河秀明)
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